汗疱
汗疱

汗疱(かんぽう)は、手のひらや足の裏、指の側面などに小さな水ぶくれ(小水疱)が繰り返しできる皮膚疾患です。正式には「汗疱状湿疹(かんぽうじょうしっしん)」と呼ばれることもあります。
特に季節の変わり目や汗をかきやすい時期に悪化しやすく、強いかゆみを伴うことがあります。症状を繰り返すことで、皮むけやひび割れを起こし、日常生活に支障をきたすこともあります。
汗疱の原因は完全には解明されていませんが、以下のような要因が関与すると考えられています。
汗をかきやすい環境や、長時間の手袋使用、靴による蒸れなどで悪化しやすくなります。
ニッケル、コバルトなどの金属アレルギーが関係する場合があります。アクセサリーや歯科金属との関連が疑われることもあります。
アトピー性皮膚炎のある方や、皮膚のバリア機能が低下している方では発症しやすい傾向があります。
精神的ストレスや睡眠不足などをきっかけに悪化することがあります。
白癬(水虫)に伴う反応として出てくることがあります。
症状は手だけでなく、足の裏や足指に出ることもあります。
汗疱は他の皮膚疾患(手湿疹、白癬、接触皮膚炎)と似ていることがあり、正確な診断が重要です。診察では症状の出方や生活環境を確認し、必要に応じて検査を行います。
水虫との鑑別のため、皮膚の一部を採取して真菌の有無を確認します。陽性の場合はまず水虫の治療を行います。
金属や化学物質によるアレルギーが疑われる場合に行います。
炎症やかゆみを抑えるため、症状に応じた強さの外用薬を使用します。
乾燥や皮膚バリア機能低下を改善するために使用します。
かゆみが強い場合には抗ヒスタミン薬を併用することがあります。
汗疱は適切な治療とスキンケアによって改善が期待できます。繰り返す手荒れや水ぶくれでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
汗疱という名前ですが、「汗の出口が詰まること」が直接の原因とは限りません。
汗や蒸れによって悪化しやすい一方で、体質、皮膚バリア機能低下、金属アレルギー、ストレスなど複数の要因が関係していると考えられています。
汗疱そのものは感染症ではないため、人にうつることはありません。
ただし、水虫(白癬)が似た症状を起こすことがあり、その場合は感染性があります。当院では必要に応じて真菌検査を行い、適切に診断します。
汗疱は再発を繰り返しやすい疾患です。
特に季節の変わり目、汗をかきやすい時期、ストレスや手荒れが続く時などに悪化することがあります。
症状が落ち着いている時期も、保湿や刺激回避などのスキンケアを継続することが再発予防につながります。
Lofgren SM, Warshaw EM.
Dyshidrosis: Epidemiology, Clinical Characteristics, and Therapy.
Dermatitis. 2006;17(4):165-181.